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悩みのムシクイさん。 [メボソムシクイ上種]


昨年、悩んだムシクイさん。今年は何とか決着を付けたいと探しました。
今年も何とか、会うことが出来ましたが、やっぱり答えは出ず。
また、来年に持ち越しです。
なを、メボソムシクイ上種3種の内、コムシクイは、渡りの経路が違い
(日本海側離島で見られる事が多い)当地では殆ど見られない為、
除外して考察しています。

今年は、10月2日に1個体、10月8日に2個体の3個体が見られました。
(白い翼帯の状態などから個体識別しました。)

●10月2日撮影の個体aです。
 嘴下面に黒斑があり、脚は肉褐色でピンク味が乏しいので、
 メボソムシクイ又はオオムシクイです。
メボソムシクイ1810aa40.jpg

もう一度、おさらいです。昨年載せた記事です。
https://takapy77.blog.so-net.ne.jp/2017-10-15

普通に撮っても、P10は殆ど写りません。
メボソムシクイ1810ac40.jpg

メボソムシクイ上種3種。コムシクイ、オオムシクイ、メボソムシクイは
外見上の傾向はありますが、殆んど同じ外見で、明確な識別法は、ありません。
(捕獲して細部を調査出来れば、識別可能ですが、許可なく捕獲すると
 犯罪になり、捕まりますので、それは出来ません)。

ただ囀り、地鳴きが違うので、外見上の傾向と併用する事で識別する事が出来ます。
ただ、見られるのは、殆ど渡りの個体で、困った事に、渡りの時期は、
殆んど鳴かないのです。

今年こそ地鳴きが聞ければ、と思いましたが、結局聞く事が出来ませんでした。
メボソムシクイ1810ad30.jpg

外見上の識別で、最も有効なのが、
最外側初列風切り(P10)と最長初列雨覆い(PC)との長さの差ですが
これも、種の識別というよりは、繁殖地の緯度との相関の方が大きく
繁殖地の緯度が高い程、小さく(P10が短くなる)なるようです。
繁殖地の緯度は、高い順からコムシクイ、オオムシクイ、メボソムシクイ
なので、種により差が生じるのです。

P10,PCは下記の矢印の部分です。この個体はP10が長くP10-PCは2mm程度でした。
メボソムシクイ1810ad12jb.jpg

オオムシクイでも緯度が低い所(例えば北海道)で繁殖する個体は、P10が長く、
メボソムシクイでも緯度が高い所、(例えば岩手)で繁殖する個体は、P10が短い
傾向にあり、個体差を考えると、かなりの部分で重複します。
渡りの個体は、何処で繁殖したのか分からないので、識別の決定打にはなりません。

ただ、P10とPCが同じ長さ(差が0.5mm以下くらいまで)であれば、
メボソムシクイが繁殖していない緯度になる為、オオムシクイの可能性が高くなり、
また、P10がPCに対し3mm以上長ければ、オオムシクイが繁殖していない緯度に
なるため、メボソムシクイの可能性が高くなり、識別の参考になります。

ただ、この中間(0.5~3mm)の個体は、個体差で重複するため、
識別の参考になりません。

メボソムシクイ1810af35.jpg

別角度から見てみると
メボソムシクイ1810ai35.jpg

同じ個体でも見る角度によって、P10-PCは1mmくらいに見えたりします。
メボソムシクイ1810ai20.jpg

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